2011年10月16日

温泉旅館の夜

 先日、YM君の夢について書いたところ、コメントでやはりご友人の夢についてのお話を聞かせていただきました。これが非常につぼに入りまして、笑っているうちにまた別の出来事が記憶の底よりサルベージされました。そこで、それを今日のネタにさせていただきますね。


 これはYM君のお話よりずっと後、もう社会人になってからのお話です。

 当時、私は山梨県の部署担当として、毎週土日に泊まりで出張しておりました。土曜の朝に出かけていって、仕事が終わりましたら常宿となっている旅館に宿泊。日曜に再び仕事に向かうわけです。そんな生活を三年くらい続けておりましたでしょうか。

 で、問題なのがこの常宿でして、後期においては駅前のビジネスホテルとなりました。しかし、当初は部署の近くにある小さな温泉旅館だったのです。

 旅館と謳ってはおりますが、実際は限りなく民宿に近いものでした。部屋は相部屋も相部屋で、10畳ほどの和室にスタッフが5、6人布団を並べて眠るわけです。部屋風呂などはなく、小さな大浴場(?)に皆で入るわけです。ここで前振りなのですが、曲がりなりにも温泉旅館の看板を掲げている宿であります。

 一度、呆気にとられた事がありました。その日は私だけが宿泊で、仕事終わりが遅くなることが事前に分かっておりましたので、おかみさんに予めお伝えしてあったのです。「食事を外で取って、宿に入るのはおそらく11時過ぎになると思います。申しわけありませんが、よろしくお願いします」と、そんな感じだったと思います。

 その晩、無事に仕事も終わり、へとへとになって宿に入ってみると、ちゃんと入り口は開けてくれてありました。さすがおかみさんです。分かってくれています。心でお礼を言いながら部屋に入り、明日も早いのでさっそく風呂に入って寝ることにしたのです。で、さっそく大浴場に向かってみると――

(*゚o゚*)~゚ ボー

「……お湯ないじゃん」

 浴槽は栓が抜かれてすっからかんです。既に全裸となっており、今更おかみさんを起こしに行くわけにもいきません。もうどうしようもないので、それならシャワーだけでもと水栓を捻ります。

( ´△`)アァ-

「……お湯出ないじゃん」

 もうね、なんというか、脱力でした。繰り返しになり恐縮ですが、温泉宿ですからね、そこ。結局、ぶるぶる震えながら水シャワーを浴びて済ませたわけですが、出張で真夜中に水浴びしたのは後にも先にもこの時だけです。



 はい、これで前振りは終了です。え? 長いですか? うーん、やはり長いですよねえ。いつもいつも、すみませんです  <(_ _)>


 
 さて、そんな温泉宿に、我々はその晩スタッフ五人で泊まっておりました。

 やはり仕事の終わりが遅く、また翌日は早朝からお勤め開始ということで神経が休まらなかったのでしょう。早めに布団に入ったものの、私はなかなか寝付かれずにおりました。他のスタッフもみな床に就いており部屋は真っ暗、いくつかの呼吸音が方々から聞こえてきます。

 そこまではまあいつもの通りなのですが、その晩はそれではすみませんでした。しばらくの後、隣に寝ていたYNさんが急に笑いはじめたのです。それも「あははは!」という明るい笑い声ではありません。

「ひっひっひ…。いひひひひ。ひひっ。いっひっひ。ひっひっひ」と、そんな感じの小さな笑い声が断続的に続くのです。数分間の沈黙にやっと終わったかとほっとすると、見計らったかのようにまた笑い声が再開します。


 これにはかなりの恐怖を覚えました。

「お願いだよお。もう、やめてくれよお……」
 そう心で願いつつ、何度も何度も声が収まるのを待ち続けているうちに、すっかり目がさえてしまった私は、もう眠るどころではなくなってしまいました。その頃はばりばりの喫煙者でしたから、窓際で煙草を吸って気を紛らわせたりしましたが、一向に声が収まる気配はありません。他のスタッフたちはよく平気でいられるなと信じられませんでしたが、こういう時は本当に先に眠った者勝ちですね。

「もう、駄目だ。これは多分一睡もできない」
 そう諦めて自分の布団に戻ろうとした時でした。足元からMTさんの声が聞こえてきます。
「眠れないですよね……」
「あ、お、起きてたんですか!?」
「さっきからずっと。酷いですね、これ」

 m(;∇;)m  ど、ど、同士よ! いやあ、「闇夜に提灯」とはこの事です。MTさんがこんなに格好良く感じたのは初めてでしたねえ。いや、単に兄さん(当時はまだ、ね)二人が怯えてるだけなんですけどね。それでも一人より二人、です。


 結局、二人ともその晩はほとんど眠れませんでした。翌朝、旅館の朝食をぱくつくYNさんに、私達の赤い眼がちらちらと向けられていたのは言うまでもありません。


 私は、こうした仕事での相部屋宿泊にあまり良い思い出がありません (;^_^A
 出張自体は嫌いではないのですが、宿泊の場合はとにかくシングルにして欲しいというのが、最大にしてたった一つの願いです。
ラベル: 旅館 出張
posted by omune at 08:05| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑感 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おお、例の続編が更新されていたのですね!
拝見するのが遅くなり、申し訳ございません!
いやぁ、とても出遅れた気分です(^^;

うわわ…、その笑い声、
まるでおばけ屋敷みたいですね。。
怖いです!でも読むと笑ってしまいます。
同士の方がいらっしゃって良かったですね!

お風呂の件は、本当に災難でしたね。
お湯の栓を止めてしまうなんて、信じられません。
水のシャワー、想像しただけで凍えそうです(>_<)
あと、私も旅先のホテルや旅館で、
どんなにへとへとでもいつも寝付けないんですよね。慣れない場所だからでしょうか。不思議です。
Posted by Erika at 2011年10月24日 06:23
 「枕が変わると」というやつでしょうか。私も自宅でのリラックスしきった睡眠と比べると、旅先での眠りは浅い気がします。

 YNさんの一件は、半ば本気で恐怖を覚えました。MTさんが起きていてくれて本当に救われました。

 風呂の件ですが、もう裸になってしまっていたからでしょうか。再び服を着ておかみさんを起こしに行くですとか、翌朝にお願いしてシャワーを浴びるといった気にならなかったところが愚かですよね。
Posted by omune at 2011年10月25日 02:53
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