2016年03月26日

小山田いく氏の訃報に寄せて

 仕事帰り、ベイスターズの途中経過を見ながらネットを徘徊していたところ、こんな記事が目に飛び込んできました。

読売オンライン 『 「すくらっぷ・ブック」漫画家小山田いく氏死去

 若い方は全くご存じないだろうと思うのですが、少年チャンピオンで『 すくらっぷ・ブック 』という作品を連載されていた漫画家さんです。ちなみに実弟はやはり漫画家のたがみよしひさ氏ですね。

 他に『 星のローカス 』 『 ぶるうピーター 』などの代表作をお持ちの方ですが、私にとっては小山田いく=『 すくらっぷ・ブック 』及び関連作品の『 12月の唯 』『 春雨みら〜じゅ 』などであり、それ以外には詳しくありません。ただしその分、これらの作品には強い思い入れを持っています。

 まだ子どもだったあの頃、何にもわかっていないガキなりに色々と苦しんだ時期がありました。そんな時にこの作品が力となってくれたのですが、今にして思うとそこに描かれていたのは(悪い意味ではなく)なんとも優しすぎる世界でした。

 登場人物は皆が皆、優しく真っ直ぐな中学生たちで、物語の展開も然り。今になって読み返せば知らず耳が赤くなってしまう様な、そんな物語です。(これは作品がどうこうではなく、私側の変化によるものですが)また、おそらくは今の若い方々には全く合わない、こういう言い方は嫌いですが『古き良き時代』だったからこそ存在しえた物語とも言えるでしょう。

 こうして日々働き、生きていく事に注力しなければならない現在の私にとって、そこで作者様が語られていた理想はあまりにも無力です。しかし、それでもなお私の頭の中のどこかに根を残し、生き続けている作品でもあります。

 私にとってこの作者様と作品はそんな存在で、どちらかといえば後者の比重が大きいです。なので、長らく『小山田いく』という名は忘れてしまっていたのですが、久しぶりにそれを目にする機会がこの訃報となりました。まだ59歳の若さという事で、ただただ驚くばかりです。

 私なんぞがここで書いても仕方がない事ですがこの作品には当時、本当に救われました。泥沼にはまっていた私の腕を思い切り掴んで引っ張り上げてくれたような、そんな作品。暴力的なまでの無遠慮な優しさが、当時の私にとっては強烈な救いとなりました。冗談ではなく、一時はいつか小諸に住んでみたいと思ったくらい。本当に感謝する他ありません。小山田いく先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 以下の画像はAmazonへのリンクとなっています。既に手元には存在しないこのコミック表紙をどうしても貼っておきたかったもので、こうした方法を取る事にしました。


    


 いや、1巻の表紙はこんなのじゃなかっただろ……。と思ったら、復刻版が出ていたんですね。どうりでデザインがすっきりしてると思いました。2巻、10巻の方はおそらく当時のままだと思います。うーん、こうして見ると時代を感じますよね。




posted by omune at 22:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑誌、書籍、コミック | 更新情報をチェックする
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